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介護の本書評「review-kaigo」

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第77回 重度認知症をハーブエキスで治す

75%の認知症を改善した「コウノメソッド」誕生秘話。

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重度認知症をハーブエキスで治す―反骨の治療書「コウノ・メソッド」誕生秘話
河野 和彦

内容

アルツハイマー患者が作業療法で改善した学会報告に対し、「改善したのならアルツハイマーではない」という言葉を吐く一流大学の教授。そんな言葉に反骨心を剥き出しにして立ち向かい、認知症を全員治してやろうと取り組んだのが筆者だ。そんな筆者が「コウノメソッド」を誕生させるまでの苦難の道が描かれている。

書評

認知症を全員治してやろうと取り組み、75%は改善すると認知症専門医に言わしめた「コウノメソッド」。それを生み出した筆者は、実は高校受験に失敗しながらも、後に医学部に入学したという、まさに努力の人だ。「コウノメソッド」も自分の努力よりも、多くの患者と出会えたからこそ生まれたものだという。そして、過去の患者からの教えをさらに次の患者に生かさなければならないという使命感が感じられる。

また、医学部入試は完全な理科系だが、医師になってからの実務は、英語文献を読み解く能力をはじめ、患者の言葉や手紙から「行間を読む」力が必要なことなど、非常に文系的だという。また、深く大きな人間性が必要だと。

本書では、そんな筆者がいかにして医師を目指し、その夢を実現したかに始まり、医師として認知症を探求し続け、50歳代での開業、コウノメソッド開発……と多数のエピソードが収められている。筆者の生き方や言葉は、これから医師を目指そうという人や、認知症のことをもっと知りたいという人などにぴったりだと思う。

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