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介護の本書評「review-kaigo」

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第74回 古武術介護塾

身体をうまく使えば、日々の介護が楽になる!

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古武術介護塾―日々の介護がラクになる!!
岡田 慎一郎 古武術介護塾

内容

介護をする人の約8割が、介護によってどこかしら身体を痛めた経験を持っているという。そして、それに耐えながら日々の介護を行っている。介護を仕事としている人の状況はさらに深刻で、身体の痛みに我慢しながら仕事をして燃え尽きるように介護の仕事を辞めてしまう方が多いのだそうだ。本書では、「筋力に頼らない、身体に負担をかけない」動きを基盤としたさまざまな武術の技を参考にした動きが多数掲載されている。

書評

介護技術を見る場で、小柄な女性が自分より大きな男性をひょいと持ち上げる様子をご覧になった経験がある人は多いだろう。これには、なんの秘伝も裏技もないという。地道な取り組みの結果、身体を動かす動かし方の質が大きく変化したからだという。

本書で紹介する動きで介護を行えば、介護するだけではなく、介護される側も心地よい感覚が引き出され、お互いにやさしい介護になるだろう、と筆者は語る。劇的に変化するのではなく、季節が変わるようにいつの間にか変化が訪れるのだそうだ。

そして、介護時のみならず、立つ、座る、歩くなどの日常動作はもちろん、育児の動き、腰痛、肩こり防止など、さまざまな動き全般が変化してくるのだそうだ。重要なことはこれらの動きを「身につけた」のではなく、その動きはもともとその人が持っていたということ。この発想を持つことができれば、それからは人に教わることがなくても身体が最適な動きを教えてくれるようになるのだという。こうした身体からの発想がある古武術だからこそ、日々変化し、臨機応変な対応が求められる介護現場でも柔軟に活用することができるのだろう。

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