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介護の本書評「review-kaigo」

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第71回 介護を受ける人の気持ちがわかる本

コミュニケーションを上手に取り、心が通う介護を行うために。

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介護を受ける人の気持ちがわかる本―お年寄りが嫌がる介護してませんか? (ほっとくるブックス)
主婦の友社

内容

「介護」という言葉を良く聞くようになった。では、「介護」の意味とは何だろうか? それはお年寄りの自立を支援することだ。今、介護する側の人間もいつか介護される。介護される側の気持ちを知って介護することが必要だ。本書は「介護される側の気持ち」を意識した介護のあり方をわかりやすく示している。

書評

年齢には、誰にでも同じように訪れる暦年齢、白髪などの表面的変化や骨の強さといった身体面での生理年齢、そして精神的な年齢の心年齢の3つの年齢があるという。それぞれの年齢に対して老いは必ず起こる。それを受け入れやすいように自立を支援することが「介護」の本質なのだ。

助けを必要としているお年寄りに対して、一人でできることは何か、どのように補助をすれば行動範囲が広がるか、といったことを考慮して手助けするのが介護なのだ。だから、痴呆症状のあるお年寄りに幼児言葉で話しかけたりするのは、その老人の尊厳を深く傷つけるものだと筆者は語る。

本書では、「お年寄りが嫌がる介護をしていませんか?」と題して、よくある症状ごとにうまくコミュニケーションを取るためのポイントを示している。また、自宅でできる介護の方法についても記されているほか、介護を行う時に発生するトラブルについても、ケーススタディという形で具体的な事例に対して、その解決のためのヒントが示されている。わかりやすいイラストと、見開き完結のスタイルが非常にわかりやすい。

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