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介護の本書評「review-kaigo」

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第63回 一人でもだいじょうぶ

16年間、母と父を看取った一人っ子の体験記。

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一人でもだいじょうぶ―親の介護から看取りまで
おち とよこ

内容

仕事を続け、子育てをしながら16年間、父と母の介護を行った筆者。16年間を通じて、身をもって学んできた「知ってて良かった」「助かった」という情報や、力を与えてくれたエピソード、お助けワザやアイデアを紹介している。また、介護者の誰もが直面する人間関係の悩みやつらさを少しでも軽くするヒントも掲載されている。

書評

16年間という著期間にわたり、自らの父と母を介護し、看取った筆者。少子化のはしりとして「一人っ子が親を看取る」という体験をした中で、孤独を感じ、孤軍奮闘する「一人っ子」介護者や一人で介護を行う人々に役立ててほしいと語っている。

介護が始まると目先のことに振り回され、喜怒哀楽のジェットコースターに乗りながら、少しでも悔いなく親を見送る手立てはないものかなどと考えた結果、本書を書くことにしたという。我々には介護中だけじゃなく、亡くなってからの手配も考えてみれば知識がない。本書では、介護中のみならず、亡くなってからの手配や手続きについてもアドバイスが掲載されている。しかし、アドバイスがすべてではない。しっかりと最期を看取り、心通いあえる最後の瞬間が持てるかどうかが非常に大事だという。

少子化のこれからは、こういった一人で看取り、一人で送る送り方について書かれた本が重宝されるのかと思うと、ちょっと切ない気がした。

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