病気は突然やってくる。自分だけじゃない、家族にも……。
内容
ある日突然病気になり、今までの日常が一変する……誰にでも起こりうることなのに、誰も自分の身に降りかかるとは思わない、それが病気だ。
本書は脳梗塞になりながらも、奇跡的に一命を取り留めて社会復帰した筆者が、当時の記憶と生還後の取材やヒアリングを通して、発症までの予兆、発症後の感覚、家族の様子を書き綴られている。
書評
忙しく仕事にいそしんでいた日常が、突然の病気で一変する。医療に関する記事も執筆しており、医者との交流もある筆者に、ある日突然降りかかった脳梗塞。命は助かったものの、入院、治療、手術、リハビリ……悩み、苦しむのは患者本人だけではない、家族も同様だ。治療費は?入院費は?と患者の様態と同じぐらい、経済的な面でもとびきりの不安を抱えることになる。脳梗塞から奇跡的に回復してライターの仕事に復帰した筆者が、当時の記憶や家族が記したノート、身のまわりの人への取材を通じて、日常の変化、本人の変化、そして家族や周囲の変化を紹介している。
ライターとして病院が嫌いというわけでもなく、医者の知人もいた筆者。にもかかわらず病気になった瞬間、人間は無力だと実感したようだ。もちろん発症後の対応は大切だが、そもそも病気にならないための予防を一生懸命やらないといけないと実感させられた。
巻末に特別付録として付けられている病気の値段は、非常に興味深い。病気にかかるということは、思った以上にお金がかかるものだと痛感した。