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介護の本書評「review-kaigo」

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第39回 認知症になる僕たちへ

人は自分の意志とは無関係に壊れてしまうのだ。

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認知症になる僕たちへ
和田 行男

内容

介護や福祉に関するサイトを運営する著者が、「人が生きていくことを支える」についての考えをまとめたのが本書。誰もが望んでいないのに認知症になってしまう可能性を持つ現実について、今一度考えさせてくれる。

書評

本書の「誰も認知症になりたくてなるわけではない。なりたくないと思っているあなたが、私がなっていくのだ。しかも不可避である。」という一文が、すべてを表しているように思う。認知症になることは誰にでも起こることで、決して特別なことではないのだ。ましてや人が人でなくなるわけではないのだ。

いろいろな問題を抱えているといわれる介護業界だが、長年介護業界を見てきた筆者は「認知症になっても“普通の人の姿”で生きている人が増えた」と前向きに捉えている。しかも、それは専門家の力や努力によってではなく、一般の人の力や考え方の変化によってそうなってきたという。

本書では、“死ぬまで人として生きること”を尊ぶ未来にしていきたいという筆者の想いが熱く感じられる。

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