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介護の本書評「review-kaigo」

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第37回 老後がこわい

親の死を想い、自分の老後や死について考える。

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老後がこわい (講談社現代新書)
香山 リカ

内容

「負け犬」などともてはやされながら、都会のひとり暮らしを謳歌しているシングル女性たち。だが、「60や70歳になっても、こうして楽しんでいられるか?」と考えた時、平静でいられるだろうか? 本書では、筆者が老後を生きる両親の姿を通じて、自分の世代の老後について考えている。

書評

筆者は、メディアにも数多く登場している精神科医・香山リカ。一見、順風満帆の人生を送っているように見える彼女だが、老後に対して大きな心理的抵抗があるという。だが、「老人ホームとは」「分譲か賃貸か」などと検討しはじめると、老後について“考えられない”のではなく、“考えたくない”自分がそこにいたという。

老後に対する漫然とした不安に加え、未来は「女性」であり「高齢者」であることが、それだけで二重の差別の対象になるというのも理由だという。だからこそ、現代の老後社会や介護について“高みの見物”を決め込むのではなく、ほど近い将来に自分が“差別される側”に立つことを意識しながら、現代社会を見つめていかなければならないと本書では語っている。

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