感動エッセー「これがオヤジの生きる道」。
妻のために生きる
塩崎周司@shiozy
内容
起業し、社長としてバリバリ働いていた時、突然妻が脳梗塞で倒れた。幸い一命は取り留めたものの、右半身不随、失語症という後遺症を背負うことに。その際、「これからは妻のために生きる」と社長業を引退し、妻の介護をスタートさせた男の新聞連載エッセーと、ブログに記された妻との日常が綴られている。
書評
本書は中国新聞で連載されたエッセー「これがおやじの生きる道」と、筆者の個人ブログの内容を一冊の本にまとめたものである。
55歳の若さで妻が脳梗塞で突然倒れた。世の亭主たちはどうするのだろうか……。筆者は25年続けてきた会社経営からきっぱりと身を引き、「妻のために生きる」と宣言した。世の亭主方に下せる決断だろうか、そして妻が倒れたら、果たして生きていけるのだろうか……そんな課題を突きつけているようだ。
だが、妻と過ごす日常が綴られた、筆者の文章は実に軽快で闊達だ。とても「介護」の苦労など感じさせない文章で、日常が綴られている。「妻の介護に生きる」とは「妻の介護に生かされる」ということでもあるのだと感じた。