相談に行く前に抑えておきたい3つのポイント。
地域包括支援センターのさまざまな機能を賢く使うには、ちょっとしたコツがあります。
ここでは、相談に行く前に押さえておきたいポイントを3つご紹介します。
1.パンフレットをもらう。
まずは直接、地域包括支援センターを訪れ、市区町村が発行する「高齢者向けサービスを紹介したパンフレット」をもらってください。仕事などの都合や親が離れたところで暮らしているなど、直接足を運ぶのが難しい場合は、地域包括支援センターに電話をしてパンフレットを送ってもらえるように頼んでみましょう。
通常、このパンフレットには介護保険サービスの内容のほか、「緊急通報システムの貸与」「自宅への配食」など、市区町村が独自に行うサービスも紹介されている場合が多く、どのような社会資源があるのか事前に学ぶことができます。
※市区町村によるサービスは住んでいる地域によって異なります。
2.自分が困っていることを書き出す。
次に自宅などに戻って、じっくりとパンフレットを見ながらどんな困りごとがあるかをメモなどに書き出してみましょう。例えば「最近、親の足腰が弱ってきたので自宅に手すりを付けたい」「独り暮らしの親が食事をきちんととっていない」「セールスがしつこくて、断るのが大変」などです。
それまで気がつかなかったようなことも、サービスの一覧を見れば気がついたりするものです。パンフレットなどに掲載されているサービスは、すべて「高齢者やその家族をサポートする」ため、時間やコストをかけて生み出されたものばかり。ある程度の答えが準備されているわけですから、そこから逆算でチェックしていけば、大きな見落としをするリスクを減らすことができるのです。
可能であれば、親と一緒にパンフレットを見ながら希望や疑問点を聞いてあげると、地域包括支援センターで相談する内容がより具体的なものとなります。
3.困っていることを仕分ける。
書き出したメモをもとに、悩みを次の3つに仕分けてみましょう。
1.第三者に助けてもらえば解決する可能性がある悩み
「毎日の介護が大変」「介護の費用負担が厳しい」「○○という介護サービスが利用したい」といった悩みです。これらは唯一、地域包括支援センターが支援できるものです。
2.家族やきょうだいと腹を割って話せば解決する可能性がある悩み
次に「家族が介護に非協力的」「要介護者本人や家族が介護サービスの利用を嫌がる」などといった悩みについては、当事者どうして話し合いをする以外に解決する方法はありません。
3.我慢するしかない悩み
さらに「要介護状態になった親のことが嫌いで仕方がない」などといった悩みは、自分のなかで飲み込み、我慢する以外ありません。
地域包括支援センターに相談に行く前に、第三者が解決してくれる可能性があるものだけを絞り込むことはとても重要です。
地域包括支援センターで解決できない悩みは、家族会などへ。
上記の「家族や兄弟姉妹と腹を割って話せば解決する可能性がある悩み」「我慢するしかない悩み」を抱えている場合は、地域包括支援センターではなく、全国各地にある介護家族の集まり(家族会)や、ネットのお悩み掲示板などを利用して、うまく発散するように心がけましょう。
こうした悩みは、同じような立場の家族同士で話し合うことによって、ある程度ラクになるものです。